【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

田神先生の告白

 俊君と浪岡君にも認めてもらえたことでまた学園生活が過ごしやすくなった。

 始祖の力がどうなるかとかまだ分からないことはあるけれど、平穏に過ごせていたと思う。


 そんな中、私は愛良とともに田神先生に呼び出されてある知らせを告げられた。


「パーティー、ですか?」

 いつもの会議室に呼ばれて永人と共に向かうと、彼はまず“先生”の顔で連絡事項を口にする。


「ああ、年明けに行われる吸血鬼の一族の当主達が集まるパーティーだ。そこに聖良さんと愛良さんが招待されることになった」

 どうして突然。
 そんな風に思ったのは愛良もだったらしく、私より先に聞き返していた。


「どうして私達が? 田神先生、それはいつ決まったんですか?」

「決まったのは聖良さんが始祖の力を扱えるかもしれないと報告に行った時だ。要はお披露目をしたい、ということだろう」

「お披露目って……じゃあ愛良は?」

 今度は私が質問をする。
 私のお披露目も必要なのかな?って思うけれど、愛良はどうしてなのか。


「愛良さんについてもお披露目という名目だな。無事に赤井家の者と血婚の儀式を済ませて予定通り赤井家が“花嫁”を手に入れたという」

「……そうですか」

 納得はしたけれど、赤井家が手に入れたとか、そういう言い方をされるとどこか嫌な感じに聞こえた。

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