磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「・・・それで、今後は雑貨も食品チームと同じくらいの人数にして、雑貨をもっと強化していきたいっていうのが社長の考えなんだ。そしてその雑貨チームの中核を担っていくのは、北岡と今城さんなんだよ。」

「「!!」」

「北岡は仕事に対してアグレッシブなのはいいけど、無鉄砲に仕事を詰め込み過ぎて、一つ一つの仕事が雑になってる。よく資料に不備があったり打ち合わせがダブルブッキングしたりしてるだろ。調整して仕事をすることが必要だ。今城さんは確実に出来る量の仕事をやっていて、ミスも少ないけど、仕事に対して消極的というか熱意が足りないように思う。受け身ではなくもっと自主的に貪欲に仕事に取り組んでほしい。二人を足して2で割ればちょうどよくなる、お互いの良いところから学べば二人とも成長できると思うんだ。」

「いや、でも・・・そろそろ私達どちらか異動になったりするかもしれませんよ?」

真海が言うと葉吉は『そうだな』とうなずくが『でも』と続けた。

「俺が異動になったら、チームリーダーは二人のうちのどちらかになるからな。」

「別に私はなりたくないです。むしろ嫌です。」

真海は臆せずきっぱりと告げてから隣の悠馬を見た。

「ちょっと、北岡も何か言ってよ。私と組むなんて嫌でしょ。」

悠馬は斜め下を見ながらぷるぷると震えていた。
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