磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「あ、ああ~・・・わかった。あんた発情期でしょ?ゴリラだけに。で、とりあえず近くに私がいたもんだから・・・。」

「そうじゃねえ。ちなみにゴリラに発情期はねえ。」

熱のこもった強い眼差しでまっすぐ見つめられ、体がぐらつきそうになる。

「う、うちのお母さんとか玉川ちゃん達に(あお)られたからって血迷わないでよね。」

「ちげーよ!!」

二人の他に誰もいないフロアに悠馬の声が響き渡った。

「バカ!声でかいって!」

「俺は本気だ!周りに言われたからでも今日助けてもらったからとかでもねえ!頭の中お前で一杯でおかしくなりそうなんだよ!」

苦しそうに訴える彼は泣きそうにすら見える。

「そんなこと言われても・・・。」

「そうだよな。悪いな、困らせて。」

「別に謝ることないけど・・・。」

───だって私、嬉しいもの・・・。でもどうしたら・・・。

「遅くなったし家まで送ってくよ。」

悠馬は真海の手を離すと彼女から離れ自分のPCの電源を落とし、デスクの上を片付け始める。

「・・・い、いいよ。方向違うし。」

───あんなこと言われてどんな顔して一緒にいれば・・・。

「俺が言ったことは気にすんな。それとこれとは別だから。」

「でも・・・。」

───気にしないなんて無理に決まってるでしょ!

「お前の一人暮らしの家、近いって言ってたろ?俺終電まだ大丈夫だし。」

悠馬はショルダーバッグを肩にかけて歩き出した。
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