磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「そろそろ名前で呼んでも・・・いいか?」

「!?・・・す、好きにしたら?」

───こいつに名前で呼ばれるなんて超変な感じ・・・だけど聞いてみたい・・・。

「・・・真海(まなみ)。」

悠馬は彼女をじっと見つめて名前を呼んだ。

「!?!?な、何?何の用?」

自分の名前が尊い響きを持って呼ばれて心が激しく振動するのを感じ、クッションを抱きしめながら怒ったように言う。彼の方を見ることは出来なかった。彼がいる右側の頬がやたら熱くなっているように感じる。

「呼んでみただけだけど・・・。」

「ふん。用もないのに呼ばないでよね。」

ぷいっと横を向く。

「じゃ、用ある。」

「・・・な。」

悠馬は素早く真海の隣に移動すると彼女を抱きしめた。真海は驚きつつも冷房が強めにかかった部屋で彼の温もりに浸った。
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