甘い恋をおしえて


「それより、佑貴さんは?」
「それが」

梓が気まずそうな顔をした。

「一応連絡はしたんだけど、病院には来てないわ」
「そう……」
「ゆっくり休むようにって伝言はあったの。千紘さん経由で」

梓は、新婚の夫が見舞いにも来ず叔母に伝言を頼むなんてとんでもないと不機嫌だ。

「三日ほど入院してってドクターに言われてるから、退院はまだ先よ」
「そんな!」

ハネムーンに行かないので、莉帆は通常通り仕事を入れていたし予定はぎっしりだ。

「神様がくださった休暇だと思ってのんびりしなさい。お店の方は気にしないで」
「ありがとう、お姉さん」
「退院の日が決まったら私から千紘さんに連絡しておくから、莉帆はなにも考えずにゆっくりするのよ」

この日から、佑貴と莉帆のすれ違いが始まった。

(結婚を待ち望んでいたのは、私だけ)

莉帆は、自分の恋心を凍らせた。そして心の中に冷たい塊をぐっと飲み込んだ。





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