大嫌いの先にあるもの
素直になれない
金曜日の1限。
黒須が階段教室に入ってくると、女子学生たちがアイドルに向けるような声をあげて騒めく。
私は一番後ろの左の席からその光景を見下ろしていた。
今朝の黒須も憎らしい程、イケメン過ぎる。
濃紺の縦縞スリーピースに、白いワイシャツに映える光沢のあるエメラルドグリーン色のネクタイがシックに決まっている。
一歩間違うと外してしまいそうな組み合わせだけど、黒須だから着こなしてる感じがする。
黒須は長い足で教壇の前まで行き、立ち止まると、学生たちに甘いマスクを向ける。キリッとした精悍な顔立ちに女子たちからうっとりするようなため息がこぼれた。
隣に座る私の友人、若菜とゆかも甘いため息をついていた。
まるで黒須から魔力が出ているように女子たちは魅了される。
普段はバカバカしいと思って見ていたけど、今日は黒須から目を逸らせない。
なぜか黒須の一挙手一投足を目で追ってしまう。
嫌いという以外の感情はないはずなのに。
なぜだろう。
黒須が階段教室に入ってくると、女子学生たちがアイドルに向けるような声をあげて騒めく。
私は一番後ろの左の席からその光景を見下ろしていた。
今朝の黒須も憎らしい程、イケメン過ぎる。
濃紺の縦縞スリーピースに、白いワイシャツに映える光沢のあるエメラルドグリーン色のネクタイがシックに決まっている。
一歩間違うと外してしまいそうな組み合わせだけど、黒須だから着こなしてる感じがする。
黒須は長い足で教壇の前まで行き、立ち止まると、学生たちに甘いマスクを向ける。キリッとした精悍な顔立ちに女子たちからうっとりするようなため息がこぼれた。
隣に座る私の友人、若菜とゆかも甘いため息をついていた。
まるで黒須から魔力が出ているように女子たちは魅了される。
普段はバカバカしいと思って見ていたけど、今日は黒須から目を逸らせない。
なぜか黒須の一挙手一投足を目で追ってしまう。
嫌いという以外の感情はないはずなのに。
なぜだろう。