年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
「あ、明日香ちゃん⁈」
「お邪魔しまーす!」

 真琴君に続き、明日香ちゃんが明るく入ってくると、その後ろにもう1人続く。

「お邪魔……します」
「健太まで⁈ 2人ともいったいどうしたの?」

 ニコニコとしている明日香ちゃんの横で、健太君は決まり悪そうに頭を掻いている。そんなことは気にする様子もなく、明日香ちゃんは学さんに歩み寄った。

「おじさん久しぶり! 事故で怪我したって聞いたから心配でお見舞いにきたの! よかったらこれ食べて!」

 そう勢いよく言うと、明日香ちゃんは俺の積んだ箱の横に、同じように箱を3つ置いた。

「悪いな、明日香。気を使わせて。それより綺麗になったじゃねーか! いい人でもできたか?」

 さっきとは打って変わって、学さんは嬉しそうに明日香ちゃんにそう言っている。

「あはは! わかるぅ? 実は私、結婚することにしたの!」

 明るく笑いながらそう言う明日香ちゃんに、うちの父さん以外が「えっ!」声を張り上げた。

「あ、あ、明日香ちゃん⁈ いつの間に!」

 明日香ちゃんは、とにかく驚いているさっちゃんのほうを向いて笑顔でこう言った。

「ついさっき、そうしようかなって。竹内とね」
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