年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
おじさんは、おっとりした優等生だった母と、やんちゃなガキ大将の父が結婚すると知った時、それはそれは驚いたそうだ。
よく言えば、まったり癒し系とも言える母と、いつの時代の人間? と言いたくなる頑固で昔堅気な父が、何を間違えて結婚したのか……。しかも、高校卒業後すぐに。
今の私の年齢には、とっくに2人の子持ちだったなんて、とても想像出来ない話だ。
「とにかく! おじさんにもちゃんと言っといてよね! お仕事の関係の人だって」
「わかったわ」
そう言って母は諦めたように返事をした。
「咲月~! たべもん開けていいやつ他にある~?」
居間の引き戸が開き、真琴が顔を出すとそう言った。
「もー! せめてお父さん帰ってから開けなさいよ!」
「え~。証拠隠滅すりゃ分からないだろ?」
父だってあんな厳つい顔しながら、じつは甘い物、特に洋菓子が好きなんだから、何もなかったら機嫌が悪くなるに決まってる。
「そうよ。あなた、この前もお父さんとお菓子の取り合いで喧嘩したんだから、今日は我慢なさい?」
母の台詞の内容の余りの進歩のなさに、呆れ返りながら私はココアを黙って飲んだ。
よく言えば、まったり癒し系とも言える母と、いつの時代の人間? と言いたくなる頑固で昔堅気な父が、何を間違えて結婚したのか……。しかも、高校卒業後すぐに。
今の私の年齢には、とっくに2人の子持ちだったなんて、とても想像出来ない話だ。
「とにかく! おじさんにもちゃんと言っといてよね! お仕事の関係の人だって」
「わかったわ」
そう言って母は諦めたように返事をした。
「咲月~! たべもん開けていいやつ他にある~?」
居間の引き戸が開き、真琴が顔を出すとそう言った。
「もー! せめてお父さん帰ってから開けなさいよ!」
「え~。証拠隠滅すりゃ分からないだろ?」
父だってあんな厳つい顔しながら、じつは甘い物、特に洋菓子が好きなんだから、何もなかったら機嫌が悪くなるに決まってる。
「そうよ。あなた、この前もお父さんとお菓子の取り合いで喧嘩したんだから、今日は我慢なさい?」
母の台詞の内容の余りの進歩のなさに、呆れ返りながら私はココアを黙って飲んだ。