Death Contract‐死神の契約‐
―カツン、カツン、カツン…

再び、暗闇にハイヒールの音が響いた。


「キオナ」


男はキオナを呼んだ。


「……」

「そう不機嫌になるな」

「どうしてあの様な場所に行かせるのですか」

「調べてもらいたいものがある、と言った筈だが」

「ですがっ…」


キオナは言葉につまった。

「やはり、お前だけでは無理だったみたいだな」

「そんな事は決して…!」

「実力の事を言っているのではない。お前をサポートする奴が必要なのだ」

「私を、サポート…。……誰ですか」

「僕だ」


暗闇から、一人の少年が顔を出した。


「あら、貴方が私をサポート出来るの?」


キオナが皮肉混じりに言った。


「僕だってやりたくなかったら、やらないさ。この方には従うだけ。ただ、それだけだ」


「頼んだよ、クロラ」


「…お任せください」


少年はニヤリと笑うと、キオナと共に消えた。
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