Death Contract‐死神の契約‐
焦燥
―「痛いよ」


ジャックはピノに拘束された手首を見ながら言った。
ジャックとピノは肌寒い地下牢に居た。
痩せこけた無惨な姿の死神達の横を通り抜ける。


「タメ口を利くな」

「酷いね」

「…お前の方がな」

「僕を此処に入れた所で、何も変わらないよ?」

「あの方の命令だ」

「忠実だね」

「悪いか」

「ひどく、関心しているよ」


二人はそこから無言になった。
暫く歩き、ジャックは一人の死神に目をつけると、話しかけた。
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