Grandma…
勉強するどころではなくなり、とにかく悩んだ。

悩んで、悩んで、悩んだ末、結局、私はフランス語の試験を受けることを選択した。

本当なら、日帰りでもしたかったが、当時は今と違い、新幹線もなかったから…。

大学生になって初めての夏休みは、思いきり東京の夏を楽しむ予定だったが、試験が終わると即、私は帰省した。

当然だが、とっくに葬儀も終わっており、おばあちゃんは骨壺の中…。

骨壺はまだ、和美ちゃんの母である叔母の家にあった。

「なっちゃん、タイミングが悪かったね。試験期間じゃなければお別れできたのに。でも、もし和美が大学生だったら、私も和美には試験を優先させたから、自分を責めちゃダメやよ」

そう言ってフォローしてくれた。

「それにね…。なっちゃんは知ってるかな?おばあちゃんね、うちに来てから亡くなる直前まで、なっちゃんが“うちに来てくれたらいいのに”って言ってくれたことを、ずーっと覚えてた。あまりに何度も繰り返しそう言うから、きっと何よりも嬉しかったんやね」
< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop