ゾンビアイドルと溺愛同居
キャンデーレッドに煌めく恋心
☆純恋side☆
「ここって……」
頼りない明りが
ぼんやりとあたりを照らす
薄暗い野球場のど真ん中。
「小3の時、家族4人で
音楽イベントに参加して
バンド演奏をした場所だ」
4人掛けのベンチに座り
思い出に浸っている私。
「狂くんと並んでベンチに座って
りんご飴を食べたんだよね。
懐かしいな~」
な~んて
幸せな思い出を噛みしめて
ある感情をごまかそうと
頑張ってはいたものの……
あぁぁぁ~~!
ムリムリムリ!
思い出に浸ってる場合じゃない!
私は薄紅色のロングスカートを
ギューっと握りしめ
深呼吸をする。
私に何が起きてるの?
これって夢?
本当に現実?
信じられないことが起きすぎて
頭の中がパンク状態だよ。