運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜



あれから3年間、来る日も来る日も魔術師塔に押しかけてお昼を一緒にし、時間のある時にはデートも取り付け、お仕事をしている間にはヴィジュレ家へ足を運び家族の皆様との交流も欠かさなかった。


ひとえにわたしのグラナティス様に対する愛情の成せるわざである。全くもって幸せな日々でしたわ!!早く結婚してずーっと一緒にいるために外堀をこれでもかと埋めまくったのも否定しないけれど、根底は変わっていない。


ただただグラナティス様が好きなだけ。もう好きと言う言葉すら届かないぐらいに愛情積み重なってますわ!!好き!!!お嫁さんにして!!!


ただわたしはグラナティス様を好きだというのはこれから先一生かけても変わらない事実であり真理であるからいいとして、それならばグラナティス様はわたしをどう思っているのか。


わたしとて自分の感情のみを押しつけて押し通すつもりはない。そう言ったら兄が鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたので後日シめたのは置いておいて、つまり嫌がっているならば無理強いをするつもりはない。いや、嫌われてはいない…と思うけれど。


それにこれでも多感な時期の夢見る恋する乙女である。ほんのちょっぴり、その、好きだとかこれからのことを仄めかすような言葉だとか約束だとかを期待してもいいと思うの。わたしはいつでもウェルカムオーケーだと言葉でも態度でも示しているし、こそっと誘導したことだってある。


それなのに今の今まで愛の言葉はもとより好意の言葉も聞いたことがないというのは何故なのか。



「流石のわたしもちょっとへこみますわ……」



ガスッ、とテーブルに額をめり込ます。実際にめり込んでいるわけではないけれどそうしてもいいぐらいにはやさぐれている。


うだうだとしたところで最終的に行き着くのはやっぱり好き!の一言なのだからかの人は罪な人だと思う。



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