君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「……真っ白な光(それ)が……」


 突然、背後から声がした。


 その声は聞いたことがあった。

 この声は……。


 そう思いながら振り向くと……。


那覇(なは)……」


 背後(そこ)に立っていたのは。
 小学校と中学校、そして高校も同じで同級生の那覇空澄(あすみ)

 クラスは同じだったこともあるけれど、高校一年生の今年度は違うクラス。



 那覇は。
 超が付く程のイケメン、そしてクール。
 勉強の成績は上の方。
 スポーツも万能。

 これだけ揃っていれば人気がないわけがない。


 特に女子たちからの人気がものすごく高い。

 学校の廊下で那覇のことを見かけるときがある。

 那覇が廊下を通る。
 それだけで女子たちがざわついている。

 女子たち(その)中には積極的な女子もいる。
 そういう女子は直接、那覇に話しかけている。


 だけど。
 話しかけられている那覇(本人)は。
 関心がないのか。
 笑顔もなく女子(その場)から離れていく。


 そんなふうに素っ気なく接していると人気がなくなってしまうかと思いきや決してそのようなことはなく、ますます人気に火が付いている。

『クールでかっこいい』という感じで。



 そんなクールであまり表情(かお)に出さない那覇が驚いた様子で私の方を見ている。


「……それ、って……
 この真っ白な光、のこと……?」


 わからない。
 なにがなんだか。


 真っ白な光(この光)は一体何なのか。

 なぜ那覇がそんなにも驚いた表情(かお)をしているのか。


「見えているのか、
 やっぱり」


「え……?」


 やっぱり、って。


「それって……」


 一体どういうこと……?


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