双子で妹の私
また、涙が出そうになった。
あの時、もう涙は、でないと、枯れたと思ったくらいなのになぁ。

我慢ぐらいしないと、また、違う人に、目の前にいる人に迷惑かけちゃう。

それだけは、嫌だ。
お姉ちゃんの大切な人だから。

すこし、肩が小刻みに揺れてる。
でも、誰もわからないくらいだ。

ダメだ、少し部屋を出よう。


「すみません。ちょっとお茶出してきますね。失礼します。」

私は、立ち上がってドアのほうに歩いて行った。
本当は、お茶出しなんて嘘。そんなの使用人とかに言えば、普通に出てくる。

私は、少し急ぎ足になった。
もうすぐだ。もうすぐで部屋から出られると思った途端、(ギュッ)誰かに抱きしめられた。

誰かと思ったら女嫌いの天音海李だった。
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