【受賞・書籍化予定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

二人と乙女系カフェ


「とりあえず、こんなにたくさん七色のサクランボがあっても……。届けていいですか?」
「あ、ああ……。予想外に早く帰ってくることになったな」
「そうですね。あと一週間くらいは最低でも帰れないと思ったのですが」

 顔を見合わせた私たちは、従業員用の裏口からお店に入り込んだ。
 今日のお店はどこか薄暗い。
 店内をそっと覗けば、星屑がきらめく満天の夜空だった。

「ま、まさかオーナーは、また調子が悪いのでしょうか」
「先日の様子を見れば、魔力のコントロールに難儀しているのかもしれないな」
「…………」
「とりあえず、サクランボをしまうか?」
「そ、そうです……ね。あわわわ」
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