【受賞・書籍化予定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

魔術師と夜の時空魔法


 カフェ・フローラには、夜の顔がある。
 それは、国王陛下に、この国を守る騎士団長、この国の上層部、さらにその上澄みとも言える人間しか知らない事実だ。

 ――店内を照らすのは、淡い金色の光だ。店内に置かれたテーブルは、年代物なのだろう。店内の雰囲気は大人びていて、赤いビロードが張られたやはり年代物の椅子に座る男性を妖しいほど美しく見せている。

「結局夜も訪れるなら、護衛を振り切って朝から来るなんてやめていただきたい」
「思ったよりも早めに公務が終わったから、今夜も来れただけだ」
「2、3日来なくても、問題はないでしょう」
「シルヴァが王宮に来られない以上、ある!!」
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