竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~

44.来世でも、絶対一緒になろうね

 カーテンから射し込む優しい陽の光に目を細める。
 柔らかく甘い香りに心が安らいだ。


「どう?」


 ベッドに横たわるわたしの側に旦那様が座る。
 彼の腕の中には、小さな温もりが抱かれていた。


「かっわいいでしょう?」


 わたしが尋ねると、旦那様は瞳を潤ませる。
 何度も何度も頷きながら、旦那様は温もりにそっと頬を寄せた。


 結婚から十年。
 わたし達は呆れるほど、幸せな日々を送っていた。
 何処に行くにも、何をするのも二人一緒で、どんな些細なひと時さえも楽しい。旦那様と一緒に居られることが、幸せで堪らなかった。

 それだけでも十分幸せだったのに、神様はわたし達に更なる幸せを授けてくれた。


< 241 / 245 >

この作品をシェア

pagetop