月下の君には秘密です。
9・手袋の代わり


9・手袋の代わり



―――――――――――――


クリスマスは、
神様の何かの日らしい。

キリスト教とか、
俺には全然分からなくて。


ただ、
御馳走とケーキが食える日。
プレゼントが貰える日。

だから好き。
それだけでした。



何かにつけて
『神様?』と問うくせに、
バチが当たるかもしれません。


でも、
俺が『神様?』と問う神様は、

もっと別の何かだと思います。
もっと違う場所にいるんだと思います。


だから

クリスマスを
嫌いになってもいいですか?



君は俺に
『手袋』をくれたのに、

結局
俺は何も用意出来ませんでした。


―――――――――――――


< 107 / 160 >

この作品をシェア

pagetop