虜にさせてみて?
響を傷つける事、いっぱいしたよね。

いくら謝っても足りない。

「何が?」

「駿の事で響を傷つけたから、謝っても足りないよね?」

「謝らなくていいって。傷ついてなんかないし」

「今は響が大好きだよ。またズルイ女って言う?」

「言わない」

今度は私から響にキスを求めた。

何度も重ね合う唇。

吐息が漏れる車内。

暑さが増して、涼しさを求めた。

コンビニに行こうと響は言ってたけれど、行かずに響の部屋に行った。

部屋の中のクーラーが効き始めた部屋。

初めて入る響の部屋の中は必要最低限のものしか置いてなかった。

私達は抱きしめあって、互いの存在を確認する。

夜が深くなる中、響が愛おしくて仕方なかった。

翌朝はカーテンの隙間から差し込む、眩しい陽射しで起きた。

「クシュンッ」

起きてすぐにクシャミが出た。

クーラーがつけっぱなしで、少し喉が痛いかも?

「んっ……」

響が寝返りを打って、横を向いた。

相変わらず、整った綺麗な横顔にサラサラな髪の毛。

そっと髪の毛に触れてみる。

「……ひよ……り?」

響がうっすらと目を開き、上半身を起こした。

「おはよ」

まだボーッとしている響の頬に、チュッと唇を触れた。

「……なっ、何だよ、朝からっ!」

「不意打ちだもん」

響の頬が赤く染まって行き、照れてる反応が面白い。

昨日は響の腕枕で眠りについた。

沢山のキスをして、じゃれあって居たら響が先に寝てしまった。
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