キミと秘密の恋



*・゚・*


「____真桜(まお)、手止まってる」

「……ごめん、なんとなく有暉と初めて喋った時のこと思い出してた」

「へぇ、まだ俺が菜々(なな)さんにベタ惚れだった頃の話?」



思い返していた、"赤い跡"。

あの当時、跡のなかった私の首筋にはキミとの関係が記されている。あの時とは違う私の首筋に、ひんやり冷たいキミの手が触れる。



「キスマが俺らの始まり、ね」



机を挟んで、向かい合う。

今日勉強をするつもりで有暉の部屋に来たけれど、先に集中を切らしてしまった私の負けらしい。


首筋に触れた手はそのまま。慣れた手つきでリボンをほどき、シャツのボタンを外していく。



「……かわいーね、真桜」



目を細めて甘く囁く有暉に、私は到底敵わなくて。今までも、現在も、これからも。

キミと私の唇が重なり合えば、それからはもうキミに溺れるしかない。




< 2 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop