キミと秘密の恋
*・゚・*
「____真桜(まお)、手止まってる」
「……ごめん、なんとなく有暉と初めて喋った時のこと思い出してた」
「へぇ、まだ俺が菜々(なな)さんにベタ惚れだった頃の話?」
思い返していた、"赤い跡"。
あの当時、跡のなかった私の首筋にはキミとの関係が記されている。あの時とは違う私の首筋に、ひんやり冷たいキミの手が触れる。
「キスマが俺らの始まり、ね」
机を挟んで、向かい合う。
今日勉強をするつもりで有暉の部屋に来たけれど、先に集中を切らしてしまった私の負けらしい。
首筋に触れた手はそのまま。慣れた手つきでリボンをほどき、シャツのボタンを外していく。
「……かわいーね、真桜」
目を細めて甘く囁く有暉に、私は到底敵わなくて。今までも、現在も、これからも。
キミと私の唇が重なり合えば、それからはもうキミに溺れるしかない。