朝の光をあなたと感じて
二人の朝
スマホのアラームを止めながら、隣で身動きする純也さんの髪を撫でる。

彼の髪はサラサラしていて、触り心地が良い。

飽きずに触っていると、彼の目がゆっくりと開いた。

「凛花、おはよう」

「純也さん、おはよう」

今年の春に私は大学を卒業して、純也さんと結婚した。まだ結婚してから半年ほどしか経っていなく、新婚さんだ。

だから、目が覚めてもすぐにはベッドから出られない。

今も彼の腕の中におさめられて、あちこち触られている。

私はそこから逃れようと、もがく。

「もう、ダメだってばー」

「凛花だって、俺の髪を触ってたじゃないか」

「髪しか触ってないもん」

「他も触っていいよ。ほら、好きなとこ触ってごらん」

好きなところなんて、全部だ。

だけど、全部触っていたら、時間がなくなる。

私は彼の脇腹を撫でた。

「そこはダメだ、くすぐったい」

「フフッ、起きようよ」

「わかったよ」

ようやく起きた私たちはジョギングウェアに着替えて、軽くストレッチをする。

それからマンションの外に出て、朝の陽射しを浴びながら走りだした。

純也さんは私のペースに合わせて、走ってくれている。
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