俺はずっと片想いを続けるだけ

天使の許しを貰うまで~クリストファー

最初はドン引きの殿下とイーサンだったが、俺が別に隠すことなく話をするので、次第にグレイスの事を『クリスが好きな女の子』と、認知してくれるようになった。

人とは、聞かされ続けるとそれに慣れて受け入れる生き物だと、改めて思う。


殿下は高等部で生徒会長をされているので初等部にも時々顔を出す。
その時は毎回俺を連れて行ってくれる様になったが、悲しいかなグレイスはまだ中学年だったので初等部児童会には関係なくて、顔を見る事も叶わなかった。

それで、放課後はお手伝いしますので、昼休みは自由にさせて欲しいと殿下にお願いした。


時折、3人で昼休みの校庭で遊んでいるグレイスを眺めた。

「何が悲しくて王太子が一輪車で遊ぶ女子児童を
 見なくてはいけない?」

勝手に付いてきているのに、時々殿下とイーサンに文句を言われた。
知るか。

「今はアレだが、30歳と37歳になったら普通だしな」

「天使が16になったらお前23だから、
 全然いけるいける」

高等部になると、王太子殿下の口も
『いけるいける』と悪くなってきていた。

俺は彼女が学園を卒園するまで待たないと駄目かなと、思っていたが
そうだ16歳で結婚出来るんだと、この時改めて思った。

ありがとう、殿下!
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