俺はずっと片想いを続けるだけ
「デートの時、あの人どんな感じ?」

「よくわかりません、あまりお話してくれなくて
 時々、向こうを向いて口元を押さえていたり」

「えっ、吐くのを我慢してる感じ?」

……そうなのでしょうか?
私と居るのが辛くて、吐き気を催していたのでしょうか?

「それはちょっと許せないね
 アデライン知ってること全部吐きな」

大叔母様、怖すぎです。

「いえいえ、何も知らないから」

「学園ではどの様なご様子だったんですか?」

「大概、王太子殿下と伯爵家の息子と3人で行動してて、私達一般生徒とは接触なかったから……
 ただね、お昼休みになると1人で何処かへ消えてしまうから、ちょっと噂にはなってたの、
隠してる恋人が居るんじゃないか、ってね
 何度かファンの子達が後を付けたけど、うまく撒かれてしまったらしくて」

(そうか、クリストファー様にはファンがいらしたんだ……)

「それだぁ! それそれ!
 それが真実の愛のお相手だぁ」

また、訳のわからない言葉がお母様から出てきました。

クリストファー様には、皆に隠してる幼馴染みの恋人がいらっしゃる様な気がしてきました。

「白い結婚って……
 ……しなくてもいい、って事ですよね?」

「そうだけど……決まった訳じゃないからね
 そんな可能性もある、って教えたかっただけ
 あんたが泣いたりしないように初夜の床で覚悟を……おいっ?」

立ち上がり、くるくると踊り出した私にお姉様が驚いた様です。

「名ばかりの侯爵夫人、サイコーです!」
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