センセイとわたしのただならぬ関係
「小春……」

 彼はわたしからグラスを奪うと、抱き寄せて唇を合わせてきた。
 それから唇を頬に滑らせて、耳元で囁く。

「店にいるときからこうしたくて、うずうずしてた」
 わたしはその言葉と耳元にかかる吐息に、ぞくりとして身を縮める。

 彼と出会ったのは10年前。
 今でこそレストランのオーナーだけれど、当時、彼は高校で国語を教えていた。

 そう、わたしたちは教師と教え子だった。
 付き合いはじめたのは、わたしが高校を卒業した後だったけれど。

 融の手がわたしの頭の後ろに回り、口づけが深くなる。
 そのまま、彼はわたしのルームウェアに手を滑り込ませる。

「融……」
 首筋を唇で辿られ、下着の上から胸の頂点を執拗に(いじ)られ、抵抗を封じられてしまう。

「うん……あっ」

 彼の手はさらに下にさがってゆき、わたしの一番敏感な場所をじらしながら刺激する。

 それだけでわたしの息は上がってしまう。

「……ベッドに行く?」
 劣情を露わにしたかすれ声で、融に問われ、わたしは頷いた……
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