イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
「へえ、それは楽しみだね」

「うん!」

小学六年生のひまりと、四十二歳の宗ちゃんの年齢差は三十歳。親子ほど年が離れているふたりの様子を微笑ましく見つめる。

彼は身長百五十八センチの私より頭ひとつ分背が高いうえに手足もスラリと長く、鍛えているのか年齢のわりにはスマートでお腹も出ていない。

二十二歳の私より二十も年上には見えない若々しい宗ちゃんをオジサンだと思ったことは一度もないけれど、世間一般的にはこういう男性を〝イケオジ〟と呼ぶのかもしれないと考えながらテーブルに並んだ料理を味わっていると、思いがけない言葉が耳に届いた。

「じゃあ、ひまりちゃんが友だちの家に行っている間、あかりちゃんとふたりで出かけてももいいかな?」

「うん。いいよ。お姉ちゃんったら休みの日もスーパーしか行かないから、どこかオシャレなところに連れて行ってあげて」

「うん。そうするよ」

出かける予定を勝手に組むふたりを、あきれ顔で見つめる。

私は家から歩いて十分ほどの距離にある、地元の保育園で栄養士として働いている。

自宅から保育園を往復するだけの毎日にオシャレは不要。

肩まで伸びた黒髪をひとつに束ね、Tシャツにジーンズを合わせたラフなスタイルが私の定番。

クリスマスに出かけるような華やかな服は持っていないし、丸顔で垂れ目がちな二重の目もとのせいで十代に見られる私は落ち着きのある宗ちゃんにつり合わない。
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