イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
「じゃあ、私はこれにする」

ふわふわとした手触りがいい白地のカチューシャは、かわいいのに派手すぎないのがいい。

「じゃあ、会計して来るね」

選んだカチューシャを買うためにレジに向かおうとしたそのとき、私たちの様子を静観していた宗ちゃんにひまりが声をかけた。

「ねえ、宗ちゃんも選んで」

「えっ? 俺はいいよ」

宗ちゃんが脚を一歩後退させて首を左右に振る。

彼がラッキーちゃんのうさ耳カチューシャを身に着けている、レアな姿を見たい気持ちはあるけれど無理強いはよくない。

「これなんかいいんじゃない?」

一番派手な赤いカチューシャを手に取って、宗ちゃんに迫るひまりを注意しようとした矢先、彼が左手で顔を覆って横を向く。

「ごめん。無理。それだけは勘弁して」

どんなときも冷静な彼が、耳を赤くして照れる様子は珍しくてかわいい。

二十も年上の彼が恥ずかしがっている姿に胸をときめかせていると、ひまりがしょんぼりと肩を落とした。

「宗ちゃん、ごめんね」

ひまりもさすがにふざけすぎたと気づいたようだ。

「期待に添えず悪かったね。お詫びにそのカチューシャの代金は俺が払うよ」
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