冥府の女神のヤンデレ愛・妄想爆裂・古代メソポタミア神話
そうこうするうちに、
川のほとりにつきました。

「こんなところに・・川が・・
知らなかった」
ネルガル神は、つぶやきました。

「死者の道ですから。
冥府からは二度と戻れない・・
ここが境目です。」
ナムタルは事務的に説明して、
係留してあった小舟に、乗り込みました。

「ネルガル様、どうぞ、お乗りください」
促されて、
ネルガル神は、小舟に乗り込みました。

小舟は櫂(かい)も何もなく、
静かな川の流れに乗って、進んで行きます。

ネルガル神は周囲を見ていましたが、
霧がかかったようで、すべてが乳白色です。
その目の前に、巨大な石造りの門が、いきなり現れました。

「おーーーい、ピティ、門を開けてくれ!」
ナムタルが、門の上を見上げて手を振ると、
黒い衣の巨人族のような番人が、大きくうなずきました。

門が、小舟がやっと通れるくらいの広さで開きました。

「さぁ、第1の門をくぐりますよ」
ナムタルが、声をかけると

「これを、ここに置いていいだろうか」
ネルガル神は衣の懐から、
二つの霊の入った小袋を取り出して、ナムタルに聞きました。
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