君に溺れてみたい

第1話 とんでもない再会

午後1時。私は公園の時計台の下で、人と待ち合わせをしていた。

待ち合わせの時間を5分程過ぎて、その人はやって来た。

「君がマオミちゃん?」

「はい。マオミです。」

「マジか。本当にレンタル彼女って、存在するんだな。」

眼鏡を掛けて、ちょっと小太りの青年。

名前は、ええっと翼君。

レンタル彼女を申し込んだのは、初めてだと言う。


「今日は、1時間デートコースですね。」

「そそそうだね。デートって物がどんなモノか、知る必要があったから。」

明らかに女に慣れていない。

「彼女さんとデートの予行練習ですか?」

「彼女なんてモノは、僕に存在しない。」

うわー、何そのウザい感じ。
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