一期一会。−1−
青火って…ここから、遠いところじゃん。

青火は、翡翠とは正反対の方向にある。

葵だって、家からはまず通うのも無理だし、一人暮らしになるってことだ。

つまり、俺達とは完全に、別の道に進みたいってこと?

何の、冗談だよ?

ー「嘘だろ?」

気の迷いであってほしかった。

固まって、何も言えない愛の代わりに
声を振り絞って聞いた。

何で、青火なんだよ?

葵は、「本気だよ」と言い切り、呆然と
する俺たちを切なそうに見てきた。

ー「…ごめん、黙ってて。
  でも、俺は、青火に行きたい」

今更謝られたって、困る。

葵の謝罪に、怒りがグワッとわいてきた。

なんで…なんでっ!

ー『…っ、何でだよ!
  何で急にそんなこと言うんだよ!』

悔しかった、悲しかった。

どうして、悪いと思ってるなら、
もっと早く言わねぇんだよ!

何で、謝るわけ?

もうとっくに、決めてんのかよ…?

沢山の感情がとめどなく溢れたせいで、
我慢できずに葵の胸ぐらを掴んだ。

そうせずには、いられなかった。


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