最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~


「みんなを信じてた僕が愚かだったよ」

楓太はそれだけ言い残し、スタジオを去った。



本当はとっくに気づいてた。

でも、気づいてない振りをしたかったんだよ。

だって、気づいてしまったら壊れてしまう。

辛うじて保たれていた壊れかけの関係が、今度こそ…。

たった一撃で、崩れて落ちた。
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