#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化





美聖が息吹ファンなのはこの業界にいれば自ずと知ることになるが、ふたりがこんなに仲良しな姿はお目にかかれない。



美聖と息吹の可愛いやりとりをcoc9tailのメンバーも含めみんなで見ていると、監督がにこにことしたままふたりに声をかける。




「仲良しなところごめんね。柊くん撮影入ろうか」

「はい!」




美聖は慌てて目を開けると、監督に返事をする。そんな美聖の手を息吹は掴んだままだ。


そんな息吹に気がついた美聖は、彼を見つめ続ける息吹をそっと見下ろし、それから、優しく、照れくさそうに微笑んだ。




「息吹さん、行ってきます」



美聖の言葉に、息吹は嬉しそうに歯を見せて笑うと、美聖の手を離して、胸の前で手を振る。




「行ってらっしゃい」




ふたりの美しい健気なやりとりにほっこりした現場も、美聖が撮影に入れば途端に慌ただしくなる。


息吹はレモンティーを飲みながら瑞希のもとに戻ってくる。


< 307 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop