君を忘れられないから

もう何回目だったろうか。

君と交わす取り留めのない約束。

「愛してるよ」の
お決まりの台詞

漂わせる罪な香り

甘い匂い

愛すなら愛して欲しくて
厭なら嫌って欲しくて

白黒つかない君の優しさに
悪戯な君の言葉に

胸がおかしくなるの。

何かある度君に不器用で棘のある言葉を
投げつけられても「ごめんね」の
一言も無くて

今日も私は自分を慰めるの。

いつの間にか君のその無口な
態度にも慣れて来て

今日も君が帰ってこない事にも
慣れてきて

窓越しに外を見て呟くの

「別れよう。」

だんだんと涙で視界がぼやけてきても
君の顔が浮かんでくるの。

私の存在が当たり前だと思ってる君が
憎らしくて愛していたの。

君との物語は小さい頃に夢見て憧れた
物語ではなかったけれど愛していたの。

この感情はひとさじの甘さで薄汚れて
しまったけれど愛していたの。

でもね、もう変わろうと思うの。

君は私を青色にしか
染めてくれなかったけど
ほかの女の子は何色だったのかな
なんて考えていたくないから。

ずっと孤独に醜く泣いていたくないから。

偶に帰ってきては
甘い匂いを残して出ていくこの部屋で
朽ちていきたくは無いから。

思い出と今を繋ぐ糸が切れしまう前に
踏み出して見るよ。

今はまだ口元に残る愛が甘くて恋しくて
堪らないけれど

いつかはきっと笑えるから。

名前なんてない蜜を抱えて
振り向かずに前に進むよ。

君無しでも生きていけるように























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