俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ

中編③

その時、急に息が出来るようになって、そのまま俺は膝から崩れ落ちた。

肺に急激に空気が送り込まれてきて、咳と涙と
鼻水、よだれでぐしゃぐしゃだ。
下から何も漏らさなかったことだけが救いだ。
スタイリッシュな俺にあるまじき姿。


……俺は死なずに済んだ。
もうそれだけで涙が止まらない。  

いつ死んでもいい、誰も困らないし泣いてくれない。
今さえ楽しかったら、それでいい。

ずっとそう思っていた筈なのに、俺はこんなにも生きることに執着してた。

それがわかってしまった。


俺は震えながら地面にうつ伏せて、神に感謝と誓いを捧げた。

『もう二度と人妻や婚約している女を寝取りません。
 確認してから、ベッドに連れ込みます』


この誓いで俺の標的範囲は狭くなるけど、こんな目には二度と会いたくない。


じたばた暴れるひょろ夫を後ろ手に捕まえて壁に押し付けながら、その人は俺に尋ねた。


「もうすぐ第3も来る。立てるか?」
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