初恋を拗らせたワンコ彼氏が執着してきます
 結婚は無理にする必要はないけれど、誰かを愛してみたかった。

 透はその幸せを教えくれた。切なく満たされたこの感情は一生の思い出になる。
 ふたりの人生が二度も交差したことに感謝しよう。

 別れるときは笑顔で。その後はこのベッドでひとり思いっきり泣いて……また前を向こう。

 唯花は透のダークブラウンの髪をそっと撫でた後、朝食を作るために布団から出た――重い腰を労わりながら。
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