そして君のいない夏が来る

プロローグ




ザワザワザワ


大学の帰り道俺は人混みの中一人歩いていた。


周りのみんなは就活活動を始めてるのに対し、俺はついこの間免許証を取ったばかりだ。

周りのやつとは言っても、ただのサークル仲間という認識しかない。

唯一友達と呼べる俺の友達も俺のように碌でもないやつしかいない。

例えば、俺から見て左側の噴水の水を3歳児の子供のように触っている輝。

中学生の頃からの同級生。

昔はすごくぽっちゃりしていたが、今ではガリガリだ。

理由は言うまでもない。

ブラック企業に勤めたからだ。

朝は5時起床。

まぁここまでは普通だろう。

6時半出勤。

帰りは22時で、休みは週一回。

そのせいで、身も心もボロボロ。

目のクマもひどいし、ブスに磨きがかかったようだ。

俺は、実家から通ってるから、せっせと働かなくて済む。

今日は、牛丼でも食って帰ろう。

俺はいつもの席に着き、おじちゃんに「いつもの」という。

これがいつものリーティン。

あいつと出会うまでは………










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