夜が明けたら君に幸せを。

孤独な夜

「ねえ親睦会やろー!」



誰が言い出したのかなんてわからなかったし興味もなかった。


その一言でクラスメイト達がわっと歓声を上げたことに少し驚いた。



「どこ行く!?カラオケ!?」


「ボーリングとかもよくね?」



よく親睦会なんて最も疲れるイベントで盛り上がれるなあ。


ある意味尊敬しながら今日もさっさと帰ろうとするが、すかさず誰かに腕を掴まれた。



「如月さんも。行こう」


「え、ちょ」



拒否する間も与えられることなく、無理矢理汐江くんに連れていかれる。





…どうして私はこんな場所にいるんだろう?



うまいとはお世辞でも言えないような歌唱力を披露しているお調子者キャラの男子を、ぼーと眺めながらそんなことを考える。


私はたしかに帰ろうとした。


それなのに、何を考えているのかよくわからない汐江くんに無理矢理カラオケに連れてこられて、しかも帰らせまいとど真ん中の席に座らされたため身動きも取れない状態だ。
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