夜が明けたら君に幸せを。
––––馬鹿みたい。



込み上げてくる呆れに似たドロドロとした感情を押し殺しながらトイレの個室に入り、詰めていた息を吐き出す。


どうして人は誰かといたがるんだろう。



移動教室や登下校はもちろん、トイレにまで一緒に行くなんてどうかしていると思う。


私には微塵も理解ができない。



そんなの疲れるでしかないというのに。


どうしてこんなにも人は馬鹿な生き物なんだろう。



そんなことを思いながら、包みからお弁当箱を取り出した瞬間だった。




–––––バッシャーンッ!!!!!!




まるで滝に打たれたかのような大量の水が、頭から降ってきた。




…何が、起きたの?




ポタポタと髪の毛から垂れ落ちた水をぼーと眺めていると、トイレのドア越しに複数の忍び笑いが聞こえてきた。
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