夜が明けたら君に幸せを。
ツインテールの女子にぺこりと会釈をして足早にその場を離れる。


…どうしてだろう。どうしてこんなにイライラするの。



「うわっ、びっくりした…」



よく前を見ていなかったから、角を曲がってきた男子とぶつかりそうになる。


…しかもそれは、汐江くんだった。



「あ…今、汐江くんのこと探してる女の子いたよ。いつものツインテールの子。多分まだそこらへんにいると思う」



何を話したらいいかわからず、早口にそう告げる。



「ツインテール?萌のことかな。…あ、そうだ一緒に帰る約束してたんだっけ」


「…毎日違う女子といるから、約束をすぐ忘れちゃうんじゃない?ひどい人」



なぜか汐江くんにすごくイライラして、気づいたら言葉が飛び出していた。



「…何、その言い方?俺が誰と仲良くしてても、如月さんには関係ないじゃん」


「そ、そうだけど…」


「如月さんの方がよっぽどひどいんじゃない?花音と仲良くする気ないなら、前までみたいに冷たく突き放してあげなよ。また裏切られるのが嫌、だっけ?そうやって怖がって一歩を踏み出さないことで、仲良くしたいと思ってくれている人が離れていっちゃうかもって思わないの?それとも花音ならずっと気持ちが変わらないと思ってる?」


「な…っ。そんなこと…」



…本当は少し、柏木さんに甘えてしまっていたのかもしれない。
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