3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 きっと祖母も打ち明けるのに、勇気がいったと思う。話してくれた以上、祖母の気持ちに寄り添い、祖母が望む生活をしてもらうのが一番だよね。

「これまでおばあちゃんとは旅行になかなか行けなかったので、連れていってあげたいです」

「俺もじいちゃんを連れていってあげたいな。今度、じいちゃんの身体のことを考えると近場になっちゃうけど四人で行こうか」

「いいですね」

 いつの間にか涙は止まり、顔を上げると理人さんと目が合う。すると彼はふわりと笑った。

「じゃあ契約書に追記しないとな。夫婦生活を続ける条件として家族旅行も含むと」

「そうですね」

 どちらからともなく笑ってしまう。

 離婚が決まっている契約結婚のはずなのに、こうして私に寄り添ってもらったら理人さんとはまるで本物の夫婦になった錯覚を覚える。

 いくら協力し合うと約束したとはいえ、理人さんはまるで本物の家族のように接してくれるよね。

 私も彼になにかあったら力になりたいと思うし、できるなら理人さんとの日々がずっと続いたらいいのにと思ってしまった。
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