3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「本当に泉のそういうところも好きだったよ。……わかった、できるだけ努力してみるよ。だから泉も絶対に高清水先生と幸せになってくれ」

 そう言って立ち上がる鈴木君を目で追ってしまう。

「ここは俺の奢り。泉は落ち着いたら出るといい」

 伝票を手に鈴木君は会計へと向かう。

「あ……嘘」

 いつの間にか目からは涙が零れていて、慌てて手で拭う。

 だから鈴木君は落ち着いてから出てって言ったんだ。最後まで優しい言葉をかけてくれた彼の気持ちに応えられないことが苦しくて、さらに涙が溢れて止まらなくなる。

 だからこそ私も理人さんにちゃんと気持ちを伝えるんだ。

 そう心に決めたものの、なかなか涙が止まることはなく、しばらくの間カフェを出ることができなかった。
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