死んでも推したい申し上げます

熱が入ったローズマリーは、なんとあれから三日も同じ創作に打ち込んでいた。

霊廟内に溢れる大量の藁人形に、等身大に近いカカシ達。カカシの頭には白カボチャを使用するこだわりっぷりだ。
彼女のベッドである石棺を取り囲むように人形達が置かれている。ここ三日は肉桂人形に見つめられながら幸せな眠りについていたため、いつもより数倍肌艶が良くなった気がする。
石棺の中には、羽毛を詰めてふかふかにした肉桂抱き枕人形が、ちょこんと置かれている。夢の中でも彼に会いたいという気持ちの表れか。

「……ハァ。」

ひとしきり創作意欲を発散し、段々と落ち着きを取り戻してきたローズマリー。
呪い人形を量産していた頃とは違う。ただ心には幸せが満ちていて、作るたびに人形が本人に近づいていった。

ふかふかの肉桂抱き枕を抱き締める。
紛れもない。ローズマリーの100年ぶりのトキメキだった。
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