流れ星に願いを。
いつもの帰り道、君と進む方向が逆になる交差点で僕は今日も君に「じゃあ、またね。」と言おうとした。
そしたら彼女が「ねぇ、何か忘れてない??」と、服を引っ張ってきた。
そうだ、今日は7月7日、七夕だ。
「えーと、今からだけどお祭り、行く??」
「行く!!!」
嬉しそうな彼女の声が茜色に染まり始めた空に響いた。

歩いてる途中に、制服デートをしている僕らと同じようなカップルがいた。
”どうか、あの子達がずっと一緒にいれますように”
僕は彼女の横にずっといてあげることはきっと出来ないから。
「ねぇねぇ!!短冊!!書こうよ!!」
彼女はもう願いが決まっているかのように流れるようにペンを動かしている。
「書けたー!!」

「うん、僕も書けたっ。」
一緒に短冊を掛けに行く。
ああ、こんな時間がずっと続けばいいのに。
でもきっと、そんな夢物語は叶わないから。
「ねー!なにお願いしたのー??」
「こう言うのって他の人に言っちゃうと叶わないんだよ(笑)」
僕の願いは2つ。
”どうか、僕のガンが治りますように”
”どうか、あなたがこれからも幸せであり続けますように”
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