幸せのつかみ方
約束の15分前。

樹さんはすでに約束していた家の近くのコインパーキングに車を止めていた。
樹さんは運転席でタブレットを開き、何かを読んでいた。
真剣な表情をしていた。
窓の縁に肘を置き、親指で顎を触る。

少しその顔を見ていたくて外からじっと眺めていた。



樹さんがふっと顔を上げきょろきょろと周囲を見渡した。
見つめる私と目が合う。

ふわっとした笑顔を見せる。


ドアを開け樹さんが長い足を出して降りてくる。


「おはよう」
「おはようございます」


樹さんの笑顔に胸が苦しくなった。
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