一途な黒川君に囚われてしまいました
気付いた気持ちは止まらない
同期会は毎回翌日が休みの日に設定される。

今夜も明日が祝日の日に開催されたので、ほとんどが二次会のカラオケへと流れていく。

私もなずなに連れられて参加することはあるけれど、今は気分が乗らない。
今夜もなずなやみーちゃん達に誘われたものの、それを断り帰ることにした。

皆と別れて最寄り駅までゆっくりと歩いていると、後ろから軽く肩を叩かれた。

「今井さん」

振り向くと同時に黒川君の姿が映りこむ。

「黒川君……二次会は?」

首を傾げて彼を見つめる。

「今夜は最初から今井さんと帰るって決めてたから。あいつがいるかもしれないよ」

「……ありがとう」

心配してくれていることを思うと、申し訳なさを感じつつも、胸がじんと熱くなる。

「うん、帰ろう」

「お願いします」

微笑みつつ彼を見つめると、はにかんだ笑いを浮かべた。
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