屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

2月14日のバレンタインデーを前に、数人の女子たちが放課後に話していたのを廊下で聞いた。



たしかに、男子の友達もいたけど女子の方が圧倒的に多かったのも覚えてる。



それは自分から声をかけたとかじゃなくて、気づけば自然と女の子がいるみたいな…そんな感じ。



自分がカッコイイと言われ慣れるまでに、時間はかからなかった。



中学に上がってすぐ告白されて、そこから畳み掛けるように告白が相次いだ。



そんなことがあったら、どんなに鈍感でも気がつくよね。



もちろん、告白を全部断っていたわけじゃない。



そのうちの何人の子かと付き合ったりはした。



でも……。



『響くんは、本当に私のこと好き…?』



『響くんの好きと私の好きは重さが違うよね』



『他の子に優しくしたりしないでよ!!!』
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