屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「っ…た、大切だなんてそんな…。お姫様じゃあるまいし…」



…ほんと、何を言っているんだろう。



「…お姫様じゃダメなの?」



「は……い?」



「心優がお姫様なら、僕は心優だけの王子様になるよ」



「っ…!?」



気がつけば僕は、そんなことを口走っていた。



心優は今まで以上に赤くて、沸騰してしまうんじゃないかと思うほど。



口をついて出ただけ…とは、思えない。



でも…こんな無責任な言葉は軽く言っていいものじゃないのも、ちゃんとわかってる。
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