過去のエアラブ集33作
㉜#神様 #アフターストーリー
目の前に現れていた、幾つも連なる鳥居の道。
溢れる光が、彼女を包んで霧となった。
まだ彼女に抱きしめられた温もりが消えてくれなくて、心臓が激しく脈を打つ。
目頭が燃えるように熱くなり、胸が締められて苦しい。
……違う。これは違うんだ。私は誰か一人を特別に想ってはいけない。平等でなければならないのだから…。
自分の感情を握りつぶすように、固く拳をつくる。
「なあ。右狐、左狐」
「はい」 「何ですか標様」
「神とは…一体何なのだろうな」
私は生き物に、各々の適した道へと導く神だ。
なのに、自分の進みたい道……誰か一人を愛するという道に進むことは許されない。
風が吹き、長いコートがバサリと鳴く。
彼女が選んだこの服が、やけに重く、苦しく、
─────愛おしく感じた。
♡5
関連作品「鳥居の道標」
溢れる光が、彼女を包んで霧となった。
まだ彼女に抱きしめられた温もりが消えてくれなくて、心臓が激しく脈を打つ。
目頭が燃えるように熱くなり、胸が締められて苦しい。
……違う。これは違うんだ。私は誰か一人を特別に想ってはいけない。平等でなければならないのだから…。
自分の感情を握りつぶすように、固く拳をつくる。
「なあ。右狐、左狐」
「はい」 「何ですか標様」
「神とは…一体何なのだろうな」
私は生き物に、各々の適した道へと導く神だ。
なのに、自分の進みたい道……誰か一人を愛するという道に進むことは許されない。
風が吹き、長いコートがバサリと鳴く。
彼女が選んだこの服が、やけに重く、苦しく、
─────愛おしく感じた。
♡5
関連作品「鳥居の道標」