友達婚~5年もあいつに片想い~
そして、廊下の奥に大樹を見つけた。

「……欲を言えばさ。もっと普通に付き合いたかったなって。」

「ああ、1年とか2年とか?」

「うん。」

大樹はすれ違った人に、挨拶をしている。

そして、私を見つけて手を振っている。

それは変わらない、プロポーズする前からしていた事。

「大樹のいいところ、友達としてはいっぱい知ってたけれど、彼女としてもいっぱい知っておきたかったなって。」

「いいんじゃない?だって、結婚するんだから。」

あずは背中を押してくれた。

「これからいっぱい石黒のいいところ、見られるじゃん。」

「うん。」

「交際3日婚だって、いいよ、いいよ。結婚するのに、交際期間がどれくらいなんて、関係ない。」

あずの言葉は、いつも私に勇気をくれる。

「うん、そうだね。」

私も大樹に、大きく手を振った。
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