友達婚~5年もあいつに片想い~
「そうか。俺で二人目か。」

すると大樹は私を抱えて、ベッドにそっと置いた。

「そうなると、俺としては元カレが気になるな。」

「そんな。大した事ないよ。」

「いや、ある。梨衣の初めてを奪った男だろう?」

大樹が男らしく見えて、キューンとする。

「できるなら、俺が梨衣の初めての男になりたかった。」

なぜだか分からない。

私の目から、温かい涙がこぼれた。

「どうして泣くんだ?」

大樹も戸惑っている。

早く涙を止めなきゃ。

「言って。今の梨衣の気持ち、聞かせて。」

涙を拭っていた私の指を払って、代わりに大樹の指が私の涙を拭う。

「嬉しいの。大樹にそこまで、想われていて。」

すると大樹は、私を抱きしめてくれた。

「当たり前だろ。俺のたった一人の奥さんなんだから。」
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